忍者ブログ

寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   
カテゴリー「拾読」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

多数派になったら

堅い論理で頭が疲れたときはマーク・トゥエインがいい。『トム・ソーヤの冒険』はポール・ニューマン朗読のCDが出ていて、一時、私にとってのヒーリング音楽になっていたことがある。

今回の衆院選では、民主党はほとんど見る影もなくなり、自民党が圧勝した。とりあえず単独過半数。次期参院選でも同じようなことになれば、そう美しいことばかりでもなかった戦前の日本を「美しい国」と呼び、「昔を取りもどす」ことに熱心な安部政権がどの方向にこの国を誘導することになるか・・・見えすぎて目がくらみそうになるから、とりあえず今回書くのは止めておく。cbd2e238.jpeg

多数派云々の言葉を聞くごとに、マーク・トゥエインの箴言を思い出す。彼は1909年に、"I came in with Halley's Comet in 1835. It is coming again next year, and I expect to go out with it.” (私は1835年のハレー彗星と共に生まれた。そしてまた来年やって来るハレー彗星と共に逝きたい) と書き、実際その通りになた。

Whenever you find yourself on the side of the majority, it is time to pause and reflect.
自分が多数派だと分かった時はいつでも、立ち止まって反省する時だ。

ついでにもう少し・・・。

To cease smoking is the easiest thing I ever did. I ought to know because I've done it a thousand times.
タバコを止めるなんてこれまで私がしてきたことで最も簡単なことだ。そんなこと充分分かってるはずなんだ、1000回も止めたんだから。

タバコの話・・・昔、紙巻タバコを吸っている頃は、誰かに喫煙の害悪を指摘される度に、「タバコ止めるなんて簡単なことです。もう10回も止めました。」などと言って、話を煙に巻くことがよくあった。20年ほど前にも半年ほど禁煙したことがある。やはり煙の魔力に負けることになるのだが、また同じことを繰り返すのはあんまり癪(しゃく)だったのでパイプ煙草に変えた。それから「パイプは紙を燃やさないから体に良いんだよ」なんて、相変わらず苦しい言い訳をしている。

Don't part with your illusions. When they are gone, you may still exist, but you have ceased to live.
幻想を手放してはいけない。幻想がなくなってもあなたは存在するだろう、しかし生きることを止めたことになる。121227h-s.jpg

幻想(イリュージョン)といえば、R・バックだが、村上龍の翻訳の中に、私にはどうもしっくり来ない部分がある。もちろん原書を事実とすると翻訳は「事実の解釈」であり、ギターの楽譜と演奏みたいな関係だから、多様であるほど面白いのだが、以下の部分・・・私のいい加減な演奏ならこうなる。   (画像:一昨日の堀江海岸・冬の夕空とカイト)

You are led through your life time by the inner learning creature, the playful spiritual being that is your real self.Don't turn away from possible futures before you're certain you don't have anthing to learn from them. You're always free to change your mind and choose a different future, or a different past. (P51・・・Messiah's Handbookの初め辺り)

君は人生を通して、自己の中の「学び続ける生き物」によって導かれる。遊び好きな精神的何か・・・それがほんとうの君だ。 何も学び取るものが無いとはっきりするまでは、起こり得る未来を見捨ててはいけない。 君は常に好きなように心を変えることができるし、別の未来や別の過去を選択することが出来るんだ。

You can't depend on your eyes when your imagination is out of focus.
想像力の焦点が合っていないときは目に頼ってはいけない。

「百聞は一見にしかず」とか「一目瞭然」とか言うが、問題はどういう目を持ってどこをどう見るかだろう。目の置きどころが変われば、世界は全く違って見えるのだから。

Do the right thing. It will gratify some people and astonish the rest.
正しいことをしてごらん。そしたら、何人かは喜び、残りの人たちは驚嘆する。

私が彼の意味する「正しいこと」をすることはめったにないだろうから、私が何か珍しいことをしても、多くの人たちが驚くことはめったになく、大概は何人かの人たちを怒らせ、悲しませる。

Courage is resistance to fear, mastery of fear, not absence of fear.
勇気とは恐怖が無いことではなく、恐怖に抵抗し、恐怖に打ち勝つことである。

Civilization is the limitless multiplication of unnecessary necessities.
文明とは不必要な必需品の限りない増加のことである。

Clothes make the man. Naked people have little or no influence on society.
着ている物が人間を作る。裸の人々はほとんど或いは全く社会に影響しない。

もちろん彼は、くだらない地位や肩書きや財産で着飾った人々よりも「裸」の人々に敬意を抱く。社会に大きく影響しないからこそ、一人の人間としては幸せに生きる価値があるのだ、ということにちがいない。

Work is a necessary evil to be avoided.
仕事は避けるべき必要悪である。
 

 
PR

人間の地球 2

It is only when we become conscious of our part in life, however modest, that we shall be happy. Only then will we be able to live in peace and die in peace, for only this lends meaning to life and to death.
 "Wind, sand and stars" translated by Lewis Galantiere from "Terre Des Hommes" by Antoine de Saint-Exupery:

私たちが幸せになるのは、それがどれほどささやかなものであれ、人生の中に自らの役割を知ったときだけである。そうしてのみ、私たちは平和に生き平和に死ぬことになるだろう。なぜなら、生に意味を与えるものが、死にも意味を与えるからである。
121220sunset-s.jpg- 『風と砂と星と』ルイス・ギャランティエール仏英訳 : 『人間の地球』アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ原著 (堀口大學の仏日訳の題は『人間の土地』)

"Quand nous prendrons conscience de notre role, meme le plus efface, alors seulement nous serons heureux. Alors seulement nous pourrons vivre en paix et mourir en paix, car ce qui donne un sens a la vie donne un sens a la mort."

上がフランス語の原文だが、堀口大學はこれを、「たとえ、どんなに小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる。そのときはじめて、ぼくらは平和に生き平和に死ぬことができる。なぜかというに、生命に意味を与えるものは、また死にも意味を与えるはずだから」と訳している。

なんと無理のない、柔らかく流れるような日本語だろうか・・・私はまたまた唸ってしまう。やはり結局、翻訳の優劣を決定するのは母国語の優劣であり、詰まるところ、他国語の理解能力ではない。 (画像:興居島に落ちる今日の夕陽)

自由からの逃走 2

We believe that the realization of the self is accomplished not only by an act of thinking but also by the realization of man's total personality, by the active expression of his emotional and intellectual potentialities. These potentialities are present in everybody; they become real only to the extent to which they are expressed. In other words, positive freedom consists in the spontaneous activity of the total, integrated personality."
- "Escape from Freedom by Erich Fromm p.257 | Summary & Study Guide" by BookRags


自己の実現は、考えるという行為によってだけでなく、人間の全体的人格の実現、感情的・知性的な潜在能力を積極的に表現することよって達成される、と我々は信じている。これらの潜在能力は全ての人間に備わっていて、それらが表現される割合にしたがって現実になる。言い換えれば、完全な自由は、全体的で統合された人格の自発的な活動の中にあるのである。
- 『自由からの逃走』P257 エーリッヒ・フロム著 スタディーガイド

人間の地球 1

This viscous whiteness became in my mind the frontier between the real and the unreal, between the known and the unknowable. Already I was beginning to realize that a spectacle has no meaning except it be seen through the glass of a culture, a civilization, a craft. Mountaineers too know the sea of clouds, yet it does not seem to them the fabulous curtain it is to me.
- "Wind, sand and stars" translated by Lewis Galantiere from "Terre Des Hommes" by Antoine de Saint-Exupery:


この粘着性のある純白(雲)は、私の精神の中で、現実と非現実、既知なるものと未知なるものとの境界線となる。私はすでに、目に見える世界は、教養や文明や職能というメガネを通して観られることなくしては意味を持つものではない、ということが分かり始めている。山中に住む人々も雲の海を知ってはいるが、それは私が知るこの素晴らしいカーテンのようなものではない。
- 『風と砂と星と』ルイス・ギャランティエール仏英訳 : 『人間の地球』アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ原著 (堀口大學の仏日訳の題は『人間の土地』)

海からの贈り物 3

When one is a stranger to oneself then one is estranged from others too. If one is out of touch with oneself, then one cannot touch others. How often in a large city, shaking hands with my friends, I have felt the wilderness stretching between us. Both of us were wandering in arid wastes, having lost the springs that nourished us?or having found them dry. Only when one is connected to one’s own core is one connected to others, I am beginning to discover. And, for me, the core, the inner spring, can best be refound through solitude.
- "Gift from the Sea" by Anne Morrow Lindbergh


人は自分自身に対して疎遠であるとき、他人からも疎遠である。自分自身の理解がなければ、他人を理解することもできない。都会で友人たちと握手しながら、互いの間に広がる大きな距離を、私はどれほど頻繁に感じたろう。私たちは、自分を潤し育む泉を失い、渇いた不毛の荒地をさまよっている。人は自分自身の中核に繋がった時のみ、真に他人と繋がる事ができるということを、私は発見しつつある。そして、私にとっての中核、内なる泉は、孤独を通すことで最も良く再発見されるのである。
-『海からの贈り物』アン・モロー・リンドバーグ著

海からの贈り物 2

The past and the future are cut off; only the present remains. Existence in the present gives island living an extreme vividness and purity. One lives like a child or a saint in the immediacy of here and now. Every day, every act, is an island, washed by time and space, and has an island’s completion. People too become like islands in such an atmosphere, self-contained, whole and serene; respecting other people’s solitude, not intruding on their shores, standing back in reverence before the miracle of another individual.
- "Gift from the Sea" by Anne Morrow Lindbergh


過去と未来は切り離され、現在だけが残る。現在の今という存在は、島の生活に極端なほどの鮮やかさと純粋さを与える。「今・ここ」にある刹那の中で人は子供のように、また聖者のように生きる。一日一日が、一つ一つの行動が、時間と空間に洗われ、一つの島としての完成形となる。人々もまた、このような環境の中で島のような存在となる。自己充足し、全(ぜん)にして澄み切ったものとなり、他者の孤独を大切にしながらその岸辺を邪魔することなく、他者の奇跡を崇敬しながら、離れたところにいるのである。
- 『海からの贈り物』アン・モロー・リンドバーグ著

自由からの逃走 1

“The seeds of this isolation are planted by the Protestant doctrines of Luther and Calvin, who teach that man stands alone before God, not with the Catholic Church as an intermediary. Furthermore, they teach that man is essentially bad and must work in order to achieve or prove his salvation. Man is now free from the authority of the Church, but is now responsible for himself before a vengeful God.
- "Escape from Freedom by Erich Fromm | Summary & Study Guide" by BookRags


この(近代人の)孤立の種子はルターやカルビンのプロテスタント的教義によって植えつけられた。彼らは、カトリック教会という仲介者なしに、人間は神の前にただ一人で立つものだということを教えたのである。更に彼らは、人間は基本的に悪であり、救済を達成するには働かなくてはならないということも教えた。かくして、人は教会の権威からは自由になったが、執拗な神の下で自分自身に責任を持たなければならなくなった。
- 『自由からの逃走』  エーリッヒ・フロム著 スタディーガイド

海からの贈り物 1

The most exhausting thing in life, I have discovered, is being insincere. That is why so much of social life is exhausting; one is wearing a mask. I have shed my mask.
- "Gift from the Sea" by Anne Morrow Lindbergh

人生で最も疲れることは、不誠実だということが分かった。それが、多くの社会生活で疲労を起こす原因である。人は仮面をかぶって生きているのだ。私は仮面を物置に片付けてしまった。
『海からの贈り物』アン・モロー・リンドバーグ著

第三の勢力:マズローの心理学 2

He found that selfactualizing people enjoy life more not that they don't have pain, sorrow, and troubles, just that they get more out of life. They appreciate it more; they have more interests; they are more aware of beauty in the world.
- "The Third Force: The Psychology of Abraham Maslow" by Frank G. Goble, Abraham H. Maslow


彼は、自己実現しつつある人々は、痛みや悲しみや苦労が無いということではなく、それ以上のものを生活から汲み出し、それを楽しんでいるということを見出した。彼らは自らの人生に、より感謝し、より多くの興味を持ち、この世界の美しさに、より(深く)気付いているのである。
- 『第三の勢力:マズローの心理学』by フランク・G・ゴーブル、アブラハム・マズロー著

幻想など マーク・トゥエイン

Don't part with your illusions. When they are gone, you may still exist, but you have ceased to live.
- Mark Twain

幻想することを手放してはいけない。幻想しなくなっても君は存在するだろうが、生きることを止めることになる。
- マーク・トゥエイン


Whenever you find yourself on the side of the majority, it is time to pause and reflect.
- Mark Twain 

自分が多数派の側であると知った時はいつでも、立ち止まり反省すべき時だ。
- マーク・トゥエイン

Do the right thing. It will gratify some people and astonish the rest.
- Mark Twain 

正しいことをしてごらん。そうすると、何人かの人々を喜ばせ、残りの人々を驚かすだろう。
- マーク・トゥエイン

ちょっと硬くなった頭には、マーク・トゥエインの箴言(しんげん)集が良い薬になる。彼の言葉には、絶妙なユーモアで色づけされた相対観が随所に感じられ、その「視点」は、徹底した相対主義を採る『荘子』の世界に通じるものがある。ややもすると一方向に偏りがちなものの見方に、快い渇(かつ)を入れてくれたような気がすることもある。

正確な意味内容は出典の文脈の中でつかむしかないのは当然として、その文章の一切れに自分の勝手な直感や感性をかぶせながら想像的解釈を試みるのも、私にとっては楽しい作業の一つだ。

そもそも、翻訳に唯一完全な正解などは有り得ない。例えば、英語の"I love you"・・・なんてのは、たぶん毎日世界中で数え切れないくらい使われている表現で、「我は汝を愛す」「愛しの君よ」の類ばかりではなく、状況によっては「君が好きなわけないだろう」・・・などと訳せる場合もある。これが文字言語の限界であり、同時に有史以来、人類に莫大な可能性を開いてきた所以(ゆえん)でもある。

既に文字はあったが、生きた口頭表現(対話)を大切にしたソクラテスが、彼の思想を文字として残さなかった理由の一つがここにあると言われていたりもする。ほぼ同時代を生きた中国の老子や孔子は文字を残した。では、やはり同時代、インドの釈尊が文字を持っていたらどうしてただろう・・・と想像したりするのも面白い。

またまた話が大きくなりそうなので、今回の思いつきはこれまで・・・。

----------------------------
珍しく朝から頭が痛い。どうやら風邪をひいたらしい。頭痛薬を飲んで昼から少し寝よう・・・と思いながらマリンハウスのカメラをのぞいたら、そこそこの北風が入っている。あっという間に脳内スイッチが反対方向に動いた。海で風邪を吹き飛ばしてこよう。

風自体は19㎡の守備範囲。だいぶ水温が高くなったので久しぶりに素足になったらどうも具合が悪い。習慣とは恐ろしい。いろんな波の斜面で、こないだ見つけた「楽々バックループ」をやってみた。10回以上回って着水の失敗がなかった。どうやら要領がほぼ身に付いたらしい。フロントループは、もう一ひねり加えてダブルにできないものか・・・といろいろ試みているところ。縦回り状態から横回りに移行するタイミングがまだ分からない。

LINK

ブログ内検索

カレンダー

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新記事

ハンディムーン

エリアマップ

最古記事

プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

最新トラックバック

カウンター

最新コメント

[06/10 寛太郎]
[06/10 寛太郎]
[06/10 柴田幸治]
[06/10 小林博行]
[03/26 寛太郎]

バーコード

P R

Copyright ©  -- 寛太郎のカイト日誌 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]