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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   
カテゴリー「拾読」の記事一覧

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我々の子孫へ 和訳キャプション

以前アップしたバートランド・ラッセルのBBCインタビューの最後「我々の子孫へ」の部分に字幕を付けてみた。ラッセル最晩年の、まあ遺言とでもいうべき言葉だと思う。

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探求者の道 4

ドラマ(劇的事件)は常に、我々の世界についての何かが、それまで思っていたものとは異なり、現存する知識では説明できな5dee0051.jpegいものであると認識する時に始まる。

ある意味で、物質とはフリーエネルギーの死であり、物理的実在へと姿を変える方法の一つである(ちょうど物質がエネルギーへと変換され得るように)。

『探求者の道:アポロ宇宙飛行士の物質的・神秘的世界の旅、改訂版』  エドガー・ミッチェル著

 

探求者の道 3

不信(不信仰)は人が見たくないものを見えなくする、というのが私の当時の見解であり現在もそうである。科学の合理性に対す5dee0051.jpegる私の信仰は、不信仰から生まれる同様に合理的な結果を見えなくしていた。私はその時まだ、意識には非物理的な要素、物理法則に起因させることのできない能力があると疑っていた。しかしさらに、まだ発見されていない物理法則があるように思われた。その解答がどのようなものであれ、それらは必ず合理的で徹底的なアプローチを通して解明されるだろう。これらは自然的な出来事であって超自然的な出来事ではなく、充分に科学的探究の領域内にある。そして、それが実証されれば、科学界に与える衝撃は革命的なものになるだろう。さらに、我々が宗教や哲学や政治や、宇宙の中での我々自身の見方や、日常生活で固守してきた諸価値に取り組む方法にも変化を与えずにはおかないだろう。前世紀のあいだ、不運にも多くの優れた科学者がこれらの問題に鈍感であったように、この分野の研究に真剣に取り組んでいる人はきわめて少ない。しかし再び、私自身の探求の最中にシンクロニシティー(共時性)が起こることになるのである。

『探求者の道:アポロ宇宙飛行士の物質的・神秘的世界の旅、改訂版』  エドガー・ミッチェル著

探求者の道 2

そして、宇宙旅行者としての私たちの存在も、大宇宙の存在それ自体も偶然のものではなく、知的なプロセスが働いているとい5dee0051.jpegう感覚があった。私は大宇宙をある意味、意識的な存在として知覚した。その想いはとても強かったので、その時は言葉で表現できそうもなかったし、現在でもまだ大部分は表現できないでいる。おそらく、私が得たことの全ては、より大きな理解の感覚であり、それを表現するより明瞭な方法であろう。しかし、その考察の最中でさえ、私はこの現象に神秘的な、あるいはあの世的な由来を付け加えなかった。むしろ私には、大脳が自発的にこのような素晴らしく奇妙な経験を生み出す情報を再編成することができるということが、好奇心をそそりワクワクさせることだと思えたのである。

『探求者の道:アポロ宇宙飛行士の物質的・神秘的世界の旅、改訂版』  ドガー・ミッチェル著
 

探求者の道 1

(アポロ14号での)地球への帰還中の3日間の旅で私が経験したことは、「宇宙的な繋がり」という圧倒的な感覚以外の何もの5dee0051.jpegでもなかった。実際、私は「統一的歓喜」として説明されてきたものを感じ取っていた。私の身体の分子や宇宙船自体の分子は、はるか昔、私の周りの天空で燃える太古の星々の一つ星の溶鉱炉の中で製造された、ということが想い起こされたのである。

『探求者の道:アポロ宇宙飛行士の物質的・神秘的世界の旅、改訂版』  エドガー・ミッチェル著

ラッセル 2

The philosophy of nature must not be unduly terrestrial; for it, the earth is merely one of the smaller planets of one of the smaller stars of the Milky Way. It would be ridiculous to warp the philosophy of nature in order to bring out results that are pleasing to the tiny parasites of this insignificant planet.
- "Nature and Man" by B.Russell

自然哲学は過度に地球的であってはならない。なぜなら、地球は銀河宇宙の中では小さめの星の一つ(太陽)の、小さめの惑星の一つに過ぎないからである。この取るに足りない惑星のちっぽけな寄生動物を喜ばせるという成果のために、大自然の哲学を歪曲することは馬鹿げたことだろう。
- 『自然と人間』 バートランド・ラッセル

ラッセル 1

Undoubtedly we are part of nature, which has produced our desires, our hopes and fears, in accordance with laws which the physicist is beginning to discover.130207s-1-s.jpg
- "Nature and Man" by B.Russell

疑いなく、私たちは自然の一部である。自然は物理学者が発見し始めている諸法則に従いながら、私たちの欲望や希望や恐怖を生み出してきたのだ。
- 『自然と人間』 バートランド・ラッセル

 

なまけのほまれ 1

All this is only preliminary. I want to say, in all seriousness, that a great deal of harm is being done in the modern world by belief in the virtuousness of work, and that the road to happiness and prosperity lies in an organized diminution of work. 
- "In Praise of Idleness" by Bertrand Russell

これらの全ては単なる前置きである。私は大マジメに言いたい。現代世界における非常に大きな害悪は、労働は美徳であるという信仰であり、幸福と繁栄への道は、組織的な労働の削減にある。
-『なまけをほめる』 バートランド・ラッセル著

目に見えないもの

人生の面白さってものは六十五過ぎてからわかるようになりましたね。それまでは過去のしきたりを踏まえにゃならんから、どうしても遠慮があるわけですよ」  水木はまたおもむろに口を開いた。私は大きく頷いた。自分が〝面談三十分〟の適用外の人間と知らされてからというもの、こちらもいくらか鷹揚である。  水木は急に私を指差した。 「そうなんです! 人生の新発明は六十五歳以降なんです! ゲーテも……」
- 『妖怪と歩くドキュメント・水木しげる』 (文春文庫)  足立倫行 著


この人は、まったくおもしろい人物である。どこか画家の岡本太郎に似ているし、古い白黒写真に残る南方熊楠の風体にも似ているような気がする。

本書の最初の辺りの、「本当は、目に見えないものを形にするのが芸術本来の姿であり、人類が大昔からやってきた正統派的なことである。それを世間はオモチャ扱いするんだから、おかしい」・・・という水木の言葉は、たちまち私に、空気とその動きである風を連想させ、『星の王子様』の「本当に大切なものは目には見えない・・・」という一文を思い出させた。

自然 エマソン 1

To speak truly, few adult persons can see nature. Most persons do not see the sun. At least they have a very superficial seeing. The sun illuminates only the eye of the man, but shines into the eye and the heart of the child. The lover of nature is he whose inward and outward senses are still truly adjusted to each other; who has retained the spirit of infancy even into the era of manhood. His intercourse with heaven and earth, becomes part of his daily food.
- Nature (Deluxe Illustrated Edition) by Ralph Waldo Emerson

実際のところ、自然を観ることのできる大人はほとんどいない。大多数の人々は太陽を観ていない。少なくともきわめて表層的にしか観ていない。太陽の光は大人の目にはそれを照らすだけだが、子どもの目や心には生き生きと煌《きらめ》きながら入ってくる。自然を愛する人間とは、自己の内側と外側に向かう感覚が、まだ互いに調和している者であり、大人の年齢になっても幼児の魂を保っている者のことである。そういう人間にとって、天や地との交わりは日々の糧食《りょうしょく》の一部となる。
- 『自然』(イラスト付きデラックス版) ラルフ・ウォルドー・エマソン著

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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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