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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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目に見えないもの

人生の面白さってものは六十五過ぎてからわかるようになりましたね。それまでは過去のしきたりを踏まえにゃならんから、どうしても遠慮があるわけですよ」  水木はまたおもむろに口を開いた。私は大きく頷いた。自分が〝面談三十分〟の適用外の人間と知らされてからというもの、こちらもいくらか鷹揚である。  水木は急に私を指差した。 「そうなんです! 人生の新発明は六十五歳以降なんです! ゲーテも……」
- 『妖怪と歩くドキュメント・水木しげる』 (文春文庫)  足立倫行 著


この人は、まったくおもしろい人物である。どこか画家の岡本太郎に似ているし、古い白黒写真に残る南方熊楠の風体にも似ているような気がする。

本書の最初の辺りの、「本当は、目に見えないものを形にするのが芸術本来の姿であり、人類が大昔からやってきた正統派的なことである。それを世間はオモチャ扱いするんだから、おかしい」・・・という水木の言葉は、たちまち私に、空気とその動きである風を連想させ、『星の王子様』の「本当に大切なものは目には見えない・・・」という一文を思い出させた。
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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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