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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   
カテゴリー「カイト」の記事一覧

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堀江 (台風)

堀江には最も適した北東風であるが、今日の風は台風である。さて、これで雨が降ってたらどうしたものか・・・と思案しながら到着すると、およそ予想通りの雲行きで、台風特有のガスティウィンドが吹き込んでいた。

12㎡で少しは走ったものの不安定なオーバーブローでは何もできそうもないので、10㎡に代えて出てはみたが、ちょっと気を抜くと軽く吹っ飛ばされる。そのうち雨も降り出し、これではどうにもならんな・・・ということで、本日おしまい。

強風下でのガスティ・コンディションでは、大体こういうことになる。共通点も多いウィンドとカイトの大きな相違点いを感じるときでもある。ウィンドサーフィンにとっては、台風は僥倖(ぎょうこう)の一種だった。まあ20年以上前のセールや板は、現在のそれよりも軽快にできていたということもあるのだろうが、秒速15mを超える風でも、大喜びで風の続く限り走り続けていたのを思い出す。カイトの世界では、よほど適した環境がない限り、まず不可能だろう。

それは何故か・・・。まずは、風が作用する“絶対面積”の違い。次に、風の力(揚力)が発生する空間的位置と作用が及ぶ地点の違い。次に作用点の数の違い。

たとえば、風速7~8mの環境下、ウィンドなら6㎡程度だが、カイトは12㎡前後・・・と、およそ2倍のサイズを使う。インフレータブルなら、その空力特性はウィンドのセールと似たようなものだ。それを、ハーネスの一点を中心とする半径20m程度の円運動による、動きの自由度の高さという利点によって、コントロール可能なものにしているわけだ。もし、これが、ウィンドのようにもっと体の近くにあって、板であれ身体であれ、一点に固定されてたら、とんでもないことになるだろう・・・というよりも、たぶん何もできずに吹き飛ばされるだけだ^^;

この利点が、不安定な風の中では、逆に欠点として作用する。20mも離れた場所で働いている、強大なパワーが人間に伝わるまでの広い空間で何が起こっているか・・・という問題。空の世界の話だが、私は、たった10mほどの高度に存在した、目にはまず見えない“ウィンド・シア”によって、ランディング・アプローチを誤り、河原に激突して生死の境をさまよった、ハンググライダー上級者の友人を、目の前で見ている。

それに、ウィンドのセールは板には固定されているが、基本的に人間には固定されず、セールを支えるブームに付いたハーネスラインから、いつでも簡単に自由になることができる。ところが、カイトはそうはいかない。人間とカイトは非常に親密にくっ付いていて、リーシュという安全装置でも開放しない限り、カイトが吹っ飛ぶということは、だいたい人間も吹っ飛ぶということを意味する。

風の心は、それを読むのに、女心より難しいことなのかもしれない。

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別府 (久しぶり)

なんだかずいぶん久しぶりに別府の空気を吸った気がした。昨夜の酔っ払いのタワゴトも、少しは当たって幾らかの南西風が入り、確かに“それなりに”楽しんだ^^;

それよりも驚いたというか、嬉しかったというか・・のは、小山のように積んでいた海岸ゴミと少しずつ整理しておいた不燃用のゴミ袋4個が、全てきれいに無くなっていたということだ。たぶん、私と似たような感性を持った人たちが、そうとう大掛かりな海岸清掃をしてくれたに違いない・・・・・浜がスッキリすると気分までスッキリする・・・当たり前のことだが、ともかく、ありがたい^^。

19㎡でちょこっと。

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小松

土曜の夜から徳島の小松海岸へ出かけた。去年までは高速を利用して昼間移動していたのだが、この季節ともかく暑く、クーラー嫌いの私は、窓全開で2時間余り運転しているだけでグッタリする。IMGP0210s1024pix100kb.jpg

夜なら道も空いてるし涼しいに違いない・・・と夜も9時を回って出発、到着したのが夜中の2時だった。いつものワンタッチテントと簡易ベッドをサット設置して寝たが、間もなく眩しい朝空と、早起きが得意なサーファーの皆さんの動きで朝も6時過ぎには起こされることになる。まあ、いつものことだ。

さいわい、早朝からまともな風が吹くはずもなく、テントや車の中でゴロゴロしたり周りの景色を眺めたり。しかし、昼を回っても東寄りの風が一向に上がってこない。今日は、珍しくハズレかもしれんなぁ・・・と収束風が多少は入っている吉野川の河口に移動して水中グラハンで身体を冷やした。IMGP0214s1024pix100kb.jpg

小松海岸のすぐ隣だというのに、この広大な河口部分は一部のサーファーや釣り人を除いて、カイト乗りが来ることは珍しらしく、土手を通る人たちはほぼ皆、珍しげにしばらく眺めた後、通り過ぎて行く。

カイトを微風に揺らせ私は水の中でとユラユラしながら、通りかかったおばさんとお話した。「吉野川はほんと良いですね~・・・これは四国の宝物ですよ・・・変なダムなんか作らせたらあきませんよ~・・・松山の川には水がないのです~」 「そうそう、そうなんよ・・・それはパラグライダーみたいなもんですか~・・・?」「まあ、似たようなもんだけど、ちょっと種類が違って水の上を走りるんですよ~」「空も飛べるんですか~?」「そりゃちょっと無理ですが、ピョンとジャンプはできますよ~・・・」「はい、はい・・・良いですね~・・・」IMGP0211s1024pix100kb.jpg

川遊びも充分楽しんで、そろそろテントに帰ろうかという4時近くになって、19㎡でオーバーを感じるほどの南東風がやって来た、日没まで3時間もある。前半19、後半12.寝不足の身体をあんまり酷使したくなかったのだが、充分クタクタになるまで走ってしまった。

吉野川河口には広大な中州があり、南の岸からだと数十メートルの距離だ。ちょっと泳いだら到着する。オーバーになった19㎡をこの中州の端に置いて車に戻り、12㎡で走り終わった後、運んでおいた回収用のバッグに19㎡を入れて岸に戻ろうとしたころには、日も暮れかけて7~8mの南東風は南寄りガスティに変わっていた。しかたなく、2枚ともバッグに入れてボードに乗せ、岸まで泳ぐ・・・といっても5分くらいだ。

中州でピックアップ(片付け)中に、「大丈夫ですか~」という声が聞こえた。「ああ、ここにもまた親切な人がいるなぁ・・・」と思うくらいで気にも留めてなかったのだが、岸に戻ると、(たぶん)その彼が待っていた。話を聞いてみると、最近、カイトサーフィンを始めたらしく、ここでやっている人を初めて見て、この浜でも練習できるかもしれないと思った・・・ということだ。四国では珍しいラムエアも新鮮だったらしい。IMGP0220s1024pix100kb.jpg

このIさんとは、しばらくの時間、お話した。ウィンドサーフィンの経験があるらしいので、風読みの基本が身に付いていれば上達も早い。ただ、初心者がグラハン(地上練習)でインフレを多用していると、ほどなく使いものにならなくなる可能性がきわめて高い。このスポーツは最初の1年が勝負・・・みたいなところがあり、せっかく心躍らせて入門しても、ほんとうに楽しくなる前にやめてしまう人たちも多い。それには幾つかの明確な理由があるが、これについてはまた近々書く。

結局、Iさんとは連絡先の交換をして、私が徳島に来る時は連絡を取り合ってご一緒し、松山に来れそうな時は、こちらでも一緒に練習しましょう・・・ということになった。せっかく出会った”素晴らしい”世界だ。できれば末長く付き合っていただきたいと思う。

2日目の月曜日は、朝からまあ良く吹いてくれたこと・・・記録の一部はトラックログの通り。

3日目は、10頃から大雨カミナリになったので、帰途に着く。

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粟井 (雨上がり)

先日まで夏空が続き、すでに梅雨は明けているのではないか・・・などと言ってたら、梅雨前線は再びちゃんと下りてきて、昨日からまた暖かい雨が降り出した。自然のリズムが大きくは狂っていない証拠みたいなもの・・・なんだかホッとしている。

昼から雨も上がったので、南東寄りのガスティウィンドで蒸し暑い中、M君とグラハンで汗をかいた。とても沖に出てみようというようなコンディションではない。ところが、ちょうど目の良いF君がやって来た頃に、風がいくらか南に振れ、6mほどまで上がってくれた。そろそろ帰ろうか・・・と思っていたところだった。なんだか拾いものをしたような気分で30分弱、19㎡で10kmほど。明日は、もうちと西に振れてくれると有り難いのだが・・・。

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粟井 (サマーブリーズ)

心地良い南西風だった。F君から別府の強風情報が入ったが、途中の粟井に寄ったら19㎡でジャスト・・・といっても私の19は風速4m辺りから8m辺りまでは楽しく扱え、ただ走るだけなら10m近くまで使える、かなり稀(まれ)なカイトだ。適性風は?・・・と聞かれるとちょっと困る。今日は5~6m。32km、ユッタリ走ったり飛んだりしておしまい。フロントラインの付け根がだいぶ擦り切れて心細い状態になっていたので、間もなく切れる前に先手を打って、この部分だけパワーライン仕様にした。

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別府と粟井

2日土曜日・別府・19㎡+12㎡、22km。本日、粟井19㎡・8km。強風下でのハイジャンプが徐々に上達してきている。正確な高さは分からないが、エアタイムは楽に5秒を超えるようになった。

どうすれば楽で気持ちの良いジャンプや着水ができるか、カイトの角度調整や身体の空中姿勢など、いろいろなパターンでやってみたところ、ようやく自分のスタイルに合った「飛び方」が飲み込めてきたような気がする。一言にすると、「ゆったりと」・・・まあ、「ゆっくりと無理をせず自然に生きる」という私のライフ・スタイルそのまんまだ。

57年間、人間を続ける過程で、私にも何度か人生の転換点があった。そして、おそらく最も劇的なそれは、40代後半にやって来て、それまでの「無理だらけ」の生き方に、ほぼ完全なる終止符を打つものだった。この辺りの事情は、たぶん、あまりに忙しすぎる現代社会で、「なにかおかしいぞ・・・」と思いながら、一生懸命に生きている人たちの一部にとっても、あるいは何かの参考になることがあるかもしれない。また気が向いたときに書く。

画像は土曜日と今日のトラック。

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晴耕雨読(せいこううどく)

忙しい半日だった。ドンヨリとした空模様。天気図からすると風の本流は南寄りに違いないものの、頼りにしていた粟井はいまひとつ、M君と塩屋で19㎡のメンテナンスをした後、北に向かってモンチに寄り、別府でF君と合流して、ついに新エリア・小部まで。ここでちょっと風に吹かれたあと、別府にとって返してきわどいコンディションを2レグ・・・と、近在エリアの端から端まで久しぶりに慌しく動いた。

小部海岸は予想通り南の岬の影響で風が回り、かなりのガスティー・コンディション。湾の北に走り出れば安定しているだろう試みてはみたものの、まあ、ウルトラ・ガスティでお話にならなかった。やはりここは、まっすぐなオンショアにならないと、厳しいかもしれない。もっとも西向きの海岸でオンの順風なら、別府がサイドの順風になる。あと気にすべきは潮流だけということになるが、これも安定した順風なら大きな問題にはならない。

「風読みの世界は日替わりランチ」というM君の例えは面白かった。F君のこの世界に注ぐ情熱は私を超えている。雨模様で不安定な風模様の日の、貴重な時間をどう有効に使うべきか・・・私の場合、晴耕雨読ならぬ「晴海雨読」、あるいは「晴走雨眠」の四文字が頭に浮かんでいる。

左から、本日の塩屋、粟井、別府近辺の風模様。
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別府+小部

今日はかなり遅めに出かけて、Iやんのデカ板と15㎡で2レグ走った後、帰りに例の候補エリアに寄ってみた。小さな湾の反対側の浜で、別府から車で10分ほどだ。地名は小部(おべ)だから、これから小部エリアと呼ぶ。

当たり前のことかもしれないが、衛星写真通りで、真西に向かって大きく弧を描いている。左右に突き出た岬の影響で、浜の南と北では風向きが45度ほど変化していたが、この湾内で走ってる限りでは、遠くまで流されることもないだろう。どんな潮でも安心して使えるエリアではないかと思う。問題は風の強弱だ・・・これは何度か通ってみないことには分からない。

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別府 (スプリング)

今年初めて、もう15年ものになる2mmのスプリングで風に吹かれた。ところが、1時間ほど走ると震えが出るほど寒くなってきたので、急いで浜に戻ってシーガルに着替え、一服しているうちに本日閉店の風。

それにしても、ウェットスーツの類ではもっとも薄手で夏の季節に使うはずのこれを、なんで「スプリング=春」なんて呼ぶのか・・・3mm生地の長ズボン半そでツナギは、今でも「シーガル」というらしい。これまた、なんで「シーガル=カモメ」なのか・・・知ってる人がいたら教えて下され。

今日のトラックログは、新しいカイトエリアの一つとして候補に上がっている、別府湾の向こう岸の砂浜から眺めてみた。直線でたったの4kmほどの距離だ。衛星写真で見る限りでは、ずいぶん広くてきれいな浜ではないか。問題はどんな風がどの程度入るかだが、別府がハズレの時に大アタリだったりしたら、こんなに有り難いことも少ない。

19㎡・22km

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別府 (ボランティア・ゴミ袋)

今日の別府は、なんとかワンレグだけ走れました・・・という見事なハズレだったが、久しぶりに見物に来たカトちゃんが初めてのカイト体験で、19㎡でグラハンのついでに、基本的なカイトの運動やちょっとしたバー操作を楽むことになった。

何でもそうだろう・・・自分にとってどんなに楽しいことでも、他人(ひと)にとってどうかは分からない。しかし、自分が美味いと思った食べ物や好みとする事物を、それなりの興味を示す人たちと共に味わい楽しみたいという素朴な気持ちは、人類が集団生活を始めた大昔から変わらぬ相当に原初的な感情で、ほとんど本能的なものではないかと思う。

もっとも、こんな気持ちの大小強弱も人により、私の場合は多分に「お人よし」の、場合によっては単なる「おせっかい」の類(たぐい)かもしれないことは充分に承知している。

ところで、今日は今治の大西支所にちょっと寄って、「ボランティア用ゴミ袋」を、とりあえず40枚もらってきた。好きで始めた海岸清掃の用に供するためで、ゴミがある程度集まって(すでにちょっとした小山になっている)、このゴミ袋に分別し整理しておけば、適当な日に市の清掃局の車が取りに来る段取りになっている。IMGP0194s1024pix100kb.jpg

漂流ゴミは次々に流れ着くので、当面終わりのない作業ということにはなるのだが・・・放置ボート横のバケツに不燃用と可燃用のゴミ袋をとりあえず数十枚入れてあるので、興味がある人は自由に使えば良い。

あらためて言うまでもなく、この浜だけでなく日本国中のあらゆる海浜は全国民の財産で、管理の大方を国家の出先機関や地方の公共団体に任せてあるにすぎない。本来、私のものでもあるしあなたのものでもある。(いやいや、ほんとうは全ての生き物の共有財産なのだよ・・・という声がどこかから聞こえる^^;)

堀江の浜の踊り場に「わが庭と思わば、ところかまわず糞もさせまじ」とかいう標語旗がなびいている。まことに下手な「五・七・五」だなぁ・・・と見るたびに思うが、「わが庭」というのは全くその通りで、海浜が「自分の所有物である」ということを自覚すれば、そもそも「ボランティアなんとか」なんて言葉は必要なくなる。まあ「ボランティア」の原義は「自主的に」という意味だから、そう無理のない表現ではある。

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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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