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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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忘却と亡失

今日で八月も終わる。今月はなんだかんだと忙しい日々が続いた。昼間の気温はまだゆうに三十℃を超えて充分に暑い。だが、辺りに漂う空気は着実に秋の匂いが濃くなってきている。今日などは、湿度が低かったということもあるのだろう、気温のわりには爽やかで、別府の海に久々に入った西風順風が殊に心地良く感じた。16e7c25e.jpeg

しかし最近、なんだか忘れモノが多い。めんどくさい事はなるべく忘れ去ることにしている私にとって、忘却は得意技の一つではあるが、必要な物をどこかに置き忘れたりするのは、普通喜ばしいことではない。「普通」というのは「特別」があるからで、意図しない亡失が、より良い結果をもたらすことも、時々はある。

先日は愛用の板を堀江海岸に置き忘れて、どうやら引き潮の土産にしてしまった。今日の別府では、車内の定位置にハーネスが無いことに初めて気が付いた。これはどうも徳島のどこかで眠っているようだ。

新たに届いた板は、同じメーカーのまったく同じ板のはずだったのだが、幾つか気になっていた点をちゃんと仕様変更してあって、一言で言うと、更に快適に走り、楽に跳べるようになっていた。

ハーネスは、ジャンプの際のズレ上がりを嫌って、長い間、手製のフンドシを取り付けていたのだが、私が信頼する或るイントラ・ディーラーに相談したら、彼に「どんな種類のジャンプにもズレ上がることなく快適に使用できることは私が保証する」とまで言わしめる優れモノがあった。

話は少し跳躍するが、人間は記憶する動物であるがゆえに忘却する動物でもある。何の用にもならない過去はどんどん忘れ去ればよい。しかし、できれば消し去りたいと願うような過去でも、現在の自分が変化すれば、その意味付けも変化する。大きく変われば大きく変化する。過去の体験の意味・評価が変わるということは、言い換えれば「観え方が変わる」ということで、それは実質、自分の中で過去が変わるに等しいと言えるだろう。

深い苦悩や重い後悔の過去が、現在の喜びの原因となり、未来の成長の要因となることも確かに有るという事実は、すでに多くの人たちが、それぞれに貴重な例で示してくれている通りである。

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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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