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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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ラッセル 1

Undoubtedly we are part of nature, which has produced our desires, our hopes and fears, in accordance with laws which the physicist is beginning to discover.130207s-1-s.jpg
- "Nature and Man" by B.Russell

疑いなく、私たちは自然の一部である。自然は物理学者が発見し始めている諸法則に従いながら、私たちの欲望や希望や恐怖を生み出してきたのだ。
- 『自然と人間』 バートランド・ラッセル

 
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吐く息

吐く息の 白きが消える 朝もあり 光の春は すぐそこにある130202a-s.JPG
はくいきの しろきがきえる あさもあり ひかりのはるは すぐそこにある

I found no white in my breath
in this rare winter morning
The spring sunshine is just
in tiny fragments of water on top of leaves

セミの殻

セミの殻 未だに残る キンモクセイ あと半年で また夏が来る
せみのから いまだにのこる きんもくせい あとはんとしで またなつがくる130128semi-s.jpg

Watching a cast-off skin of a cicada
on an evergreen orange-colored olive
I cannot help longing for that sultry summer
coming a half year ahead again

8平米ジャスト

8平米 初のジャストで 寒中の 厳しき海の 夕の優しさ
はちへいべい はつのじゃすとで かんちゅうの きびしきうみの ゆうのやさしさ
130127w.JPG
The 8 sqm kite got her first just wind
In fierce but enjoyable westerly gale
While the face of the sea was rough enough
Evening sky was transparently colored with bright sunset

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我が内の

我が内の 力を知れと 大西の 風に吹かれて 風邪と戦う 
わがうちの ちからをしれと おおにしの かぜにふかれて かぜとたたかう

Aspiring to get the inner power again
Scattering the persistant cold
Being blown in the winter wind

130125s-s-s.jpg130125sw.JPG

 

胃腸風邪

正月以来、なかなか抜けてくれない胃腸風邪にはうんざりしていた。もしこれで高熱でも出て寝込むようなことがあっても、それはそれで良しとしよう!・・・みたいな、昔から私の血液の中に時々流れ込んでくる、まともな理性からはかなり遠い衝動にしたがって、昼食後、西風が待つ塩屋海岸に出かけた。

空は明るい、若干南西寄りの順風8m、内水は満潮、気温の割にはほとんど寒さを感じない。久しぶりに2時間ほど、風水に触れて、かなりスッキリしたのだが、何よりも、水と大気の持つ、ありがたいとしか言いようのないエネルギー、改めて感じていた。

元気・病気・強気・弱気・空気・気象・気分・気合・・・これらの多くの「気」をめぐる事々は、現在進行中の、「呼吸法」も含めて、そのうち少しまとめてみたいと思っている。

なまけのほまれ 1

All this is only preliminary. I want to say, in all seriousness, that a great deal of harm is being done in the modern world by belief in the virtuousness of work, and that the road to happiness and prosperity lies in an organized diminution of work. 
- "In Praise of Idleness" by Bertrand Russell

これらの全ては単なる前置きである。私は大マジメに言いたい。現代世界における非常に大きな害悪は、労働は美徳であるという信仰であり、幸福と繁栄への道は、組織的な労働の削減にある。
-『なまけをほめる』 バートランド・ラッセル著

目に見えないもの

人生の面白さってものは六十五過ぎてからわかるようになりましたね。それまでは過去のしきたりを踏まえにゃならんから、どうしても遠慮があるわけですよ」  水木はまたおもむろに口を開いた。私は大きく頷いた。自分が〝面談三十分〟の適用外の人間と知らされてからというもの、こちらもいくらか鷹揚である。  水木は急に私を指差した。 「そうなんです! 人生の新発明は六十五歳以降なんです! ゲーテも……」
- 『妖怪と歩くドキュメント・水木しげる』 (文春文庫)  足立倫行 著


この人は、まったくおもしろい人物である。どこか画家の岡本太郎に似ているし、古い白黒写真に残る南方熊楠の風体にも似ているような気がする。

本書の最初の辺りの、「本当は、目に見えないものを形にするのが芸術本来の姿であり、人類が大昔からやってきた正統派的なことである。それを世間はオモチャ扱いするんだから、おかしい」・・・という水木の言葉は、たちまち私に、空気とその動きである風を連想させ、『星の王子様』の「本当に大切なものは目には見えない・・・」という一文を思い出させた。

自然 エマソン 1

To speak truly, few adult persons can see nature. Most persons do not see the sun. At least they have a very superficial seeing. The sun illuminates only the eye of the man, but shines into the eye and the heart of the child. The lover of nature is he whose inward and outward senses are still truly adjusted to each other; who has retained the spirit of infancy even into the era of manhood. His intercourse with heaven and earth, becomes part of his daily food.
- Nature (Deluxe Illustrated Edition) by Ralph Waldo Emerson

実際のところ、自然を観ることのできる大人はほとんどいない。大多数の人々は太陽を観ていない。少なくともきわめて表層的にしか観ていない。太陽の光は大人の目にはそれを照らすだけだが、子どもの目や心には生き生きと煌《きらめ》きながら入ってくる。自然を愛する人間とは、自己の内側と外側に向かう感覚が、まだ互いに調和している者であり、大人の年齢になっても幼児の魂を保っている者のことである。そういう人間にとって、天や地との交わりは日々の糧食《りょうしょく》の一部となる。
- 『自然』(イラスト付きデラックス版) ラルフ・ウォルドー・エマソン著

多数派になったら

堅い論理で頭が疲れたときはマーク・トゥエインがいい。『トム・ソーヤの冒険』はポール・ニューマン朗読のCDが出ていて、一時、私にとってのヒーリング音楽になっていたことがある。

今回の衆院選では、民主党はほとんど見る影もなくなり、自民党が圧勝した。とりあえず単独過半数。次期参院選でも同じようなことになれば、そう美しいことばかりでもなかった戦前の日本を「美しい国」と呼び、「昔を取りもどす」ことに熱心な安部政権がどの方向にこの国を誘導することになるか・・・見えすぎて目がくらみそうになるから、とりあえず今回書くのは止めておく。cbd2e238.jpeg

多数派云々の言葉を聞くごとに、マーク・トゥエインの箴言を思い出す。彼は1909年に、"I came in with Halley's Comet in 1835. It is coming again next year, and I expect to go out with it.” (私は1835年のハレー彗星と共に生まれた。そしてまた来年やって来るハレー彗星と共に逝きたい) と書き、実際その通りになた。

Whenever you find yourself on the side of the majority, it is time to pause and reflect.
自分が多数派だと分かった時はいつでも、立ち止まって反省する時だ。

ついでにもう少し・・・。

To cease smoking is the easiest thing I ever did. I ought to know because I've done it a thousand times.
タバコを止めるなんてこれまで私がしてきたことで最も簡単なことだ。そんなこと充分分かってるはずなんだ、1000回も止めたんだから。

タバコの話・・・昔、紙巻タバコを吸っている頃は、誰かに喫煙の害悪を指摘される度に、「タバコ止めるなんて簡単なことです。もう10回も止めました。」などと言って、話を煙に巻くことがよくあった。20年ほど前にも半年ほど禁煙したことがある。やはり煙の魔力に負けることになるのだが、また同じことを繰り返すのはあんまり癪(しゃく)だったのでパイプ煙草に変えた。それから「パイプは紙を燃やさないから体に良いんだよ」なんて、相変わらず苦しい言い訳をしている。

Don't part with your illusions. When they are gone, you may still exist, but you have ceased to live.
幻想を手放してはいけない。幻想がなくなってもあなたは存在するだろう、しかし生きることを止めたことになる。121227h-s.jpg

幻想(イリュージョン)といえば、R・バックだが、村上龍の翻訳の中に、私にはどうもしっくり来ない部分がある。もちろん原書を事実とすると翻訳は「事実の解釈」であり、ギターの楽譜と演奏みたいな関係だから、多様であるほど面白いのだが、以下の部分・・・私のいい加減な演奏ならこうなる。   (画像:一昨日の堀江海岸・冬の夕空とカイト)

You are led through your life time by the inner learning creature, the playful spiritual being that is your real self.Don't turn away from possible futures before you're certain you don't have anthing to learn from them. You're always free to change your mind and choose a different future, or a different past. (P51・・・Messiah's Handbookの初め辺り)

君は人生を通して、自己の中の「学び続ける生き物」によって導かれる。遊び好きな精神的何か・・・それがほんとうの君だ。 何も学び取るものが無いとはっきりするまでは、起こり得る未来を見捨ててはいけない。 君は常に好きなように心を変えることができるし、別の未来や別の過去を選択することが出来るんだ。

You can't depend on your eyes when your imagination is out of focus.
想像力の焦点が合っていないときは目に頼ってはいけない。

「百聞は一見にしかず」とか「一目瞭然」とか言うが、問題はどういう目を持ってどこをどう見るかだろう。目の置きどころが変われば、世界は全く違って見えるのだから。

Do the right thing. It will gratify some people and astonish the rest.
正しいことをしてごらん。そしたら、何人かは喜び、残りの人たちは驚嘆する。

私が彼の意味する「正しいこと」をすることはめったにないだろうから、私が何か珍しいことをしても、多くの人たちが驚くことはめったになく、大概は何人かの人たちを怒らせ、悲しませる。

Courage is resistance to fear, mastery of fear, not absence of fear.
勇気とは恐怖が無いことではなく、恐怖に抵抗し、恐怖に打ち勝つことである。

Civilization is the limitless multiplication of unnecessary necessities.
文明とは不必要な必需品の限りない増加のことである。

Clothes make the man. Naked people have little or no influence on society.
着ている物が人間を作る。裸の人々はほとんど或いは全く社会に影響しない。

もちろん彼は、くだらない地位や肩書きや財産で着飾った人々よりも「裸」の人々に敬意を抱く。社会に大きく影響しないからこそ、一人の人間としては幸せに生きる価値があるのだ、ということにちがいない。

Work is a necessary evil to be avoided.
仕事は避けるべき必要悪である。
 

 

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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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