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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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W・ブレイク

To see the world in a grain of sand, and to see heaven in a wild flower, hold infinity in the palm of your hands, and eternity in an hour. 

一粒の砂に全世界を観じ、野の花に天国を観じ、手のひらに無限を、一刻の中に永遠をつかむ。

If the doors of perception were cleansed everything would appear to man as it is, infinite.

感覚の扉が洗い清められたとき、全ての事象が、あるがままの、無限のものとなって現れる。

To generalize is to be an idiot.

ものごとを一般化するということは、馬鹿になるということである。

Great things are done when men and mountains meet.

人と山とが出会ったとき、偉大なことが成される。

今日は久しぶりに粟井の南風で一っ走りした後、引き潮に洗われる砂浜が西に傾く太陽に輝くのを眺めながら、ブレイクの「一粒の・・・」のくだりを思い出したので、ちょっと読み直してみた。ただの拾い読みに過ぎないが、こういうとんでもない芸術家が残した言葉に少しでも触れると、時に目からウロコと一緒にメガネも落ちそうになる。

最も小さなもの、最も身近でありふれたもの、そして今という一瞬の中に、無限にして永遠なるものを感じ取る透徹した感受性・・・200年前のこの人物も、やはりただ者ではない。

人と海が、人と風が出会ったとき、多くの喜びや勇気やナチュラルスポーツが生まれるが、「偉大なことが成される」かどうかは、人による・・・としか言いようがない。

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塩屋(南の浜から)

塩屋の南西風・・・最も好みの風向きだ。幾分かでも南の方向から来る風は、どこか南国の香りを運んでくるような気がして心を軽くする。IMGP0138s1024pix100kb.jpg

日曜ということもあり、北の中洲は混雑している。私一人、ウィンドの時代から使い慣れた南の浜を広々と使う。あの頃は重信川の砂州が今ほど成長してなかったということもある。この浜も波打ち際まで車が入れて、どんな風でも大体ここから出ていた。ビーチブレイクがきついので波を読む目は必要だが、実に気持ちの良い浜だ。

今日は幾分浮ついた風で12㎡ではもの足りなかった。これで3度目か・・・リーシュが不用意に外れた。今回はジャンプから下手な着水の際にリーシュ・ストッパーが胸に当たるのを感じたので原因がはっきりしている。なんにしてもバネを少し強くしておこう。

おしまいに修理が完了したばかりの15㎡をテストライド。ラインを2mほど伸ばしたカブリナバーは全く問題なく用を成した。波はほとんどグシャグシャで、両脚のクッションが多少疲れたが、それでも50km近く走っていた。

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塩屋(ダンパー)

ダンパーとはサーフィン用語では「一気に崩れ落ちる波」の意。風波の多くはダンパーとなるが、海底地形との関係で、多少は切れた波模様になることもある。切れた波とは、最もポピュラーな「カール状に端から順にブレイクして行く波」のことで、瀬戸内の海岸できれいなそれに遭遇することは滅多にない。

今日の塩屋も「アウトには出してやらんぞ~!」とでも言いたげな風波ダンパーだった。まあ、真オンの風で10m以上吹いたら、海の言いたいこともよく分かる。しかし、塩屋の波はそれだけではない。真っサイドからの風は話にならないが、南西から北西のクロスオンの強風が良い潮時に入ると、幾分遠浅の海岸はちょっと有り難い種類の波を生む。

年に数回あるかないかのこの波で、2m以上あるウィンドの板を回すのは至難の伎だったけれども、リップからボトムに向かって斜めに滑り降りるくらいはできたし、何よりもヘッドに近い大波をジャンプ台にして吹っ飛べるのが楽しみだった。

まず、まともには着水できないので、10mほどの高さからいろんな格好で落ちる。当然それなりに痛い。一度などは、水面でわき腹を強打して息が止まり、必死で深呼吸しながら意識を保ったことがある。まだ30代前半の、少なくとも海の上では怖いものは何もなかった頃の話だ。現在もあんまり変わってないような気もするが・・・。

さて、これからカイトの世界で、この種の波とどう付き合って行くか・・・楽しみが尽きることはない。

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M君スイッチ開眼

ニックさんお勧めのパワーラインというのが来たので、塩屋にてM君の走りを眺めながら10㎡のライン修理。これがいかにも強いぞ・・・という感触で、少々の過加重でも切れることはなさそうだ。

しかし、めったに使わない10㎡にはちょっともったいない気もする。そこで、昨夜思い付いた。現在の12のラインを10に移して、はるかに使用頻度の高い12㎡でこのラインに活躍してもらうことにしよう。

  

堀江(2時からマッタリ)

昨日に続いて北風。幾分強めの8m前後。19㎡で若干オーバー気味。しかし今日は速やかに落ちて2時を回った頃には微風の領域へ。Iやん、Hやんとしばらくマッタリとお話をして本日終了。

ちなみに、マッタリの原義は「味わいがまろやかで、こくのあるさま」だそうな・・・こんなん英語でどう言うんだろう・・・と辞書を引いてみると、deeply; heavily; dully, tediously ・・・と色々出てきた。日本語のニュアンスとかなり違うような気がするが、誰がどのようなシチュエーションでこれらの英語訳を考えたんだろう・・・と想像するのも、暇なときは楽しかったりする。

↓レグの長さを測ってみた。堀江の場合は端から端まで使ってだいたい1km。これは計算しやすい数字だ^^。

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堀江(60km余り)

今日の堀江は非常に安定した北寄りの風6~7m。19㎡でジャスト。昨日たっぷり寝たおかげか、いくら走ってもほとんど疲れを感じない。楽に走るコツみたいなものがだいぶ身に付いてきたのかもしれない。遂に60kmを越える新記録となった。



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別府(ブリーズ)

今日の別府は7m前後のブリーズ。12㎡と最後に19㎡。ちなみに英語でbreezeは、気象学的には秒速1.6-13.8mの風をカバーしているらしい。一般的には「快い順風」くらいの意味で使われることが多い。これにSea(海)が付くと、Sea Breeze(シーブリーズ)となり、カイトボーダーの間でよく使われているサーマル(ウィンド)と同じ意味になる。要は海陸風の海風のことだ。

更にちなみに、サーマルとは本来は熱上昇風のこと。これは縦方向(下から上に)の空気の動きなので、水平方向の空気の動き(つまり風)に使用するのは間違っている。たぶん、空関係のスポーツを背景に持つカイトボーダーかウィンドサーファーが使い始めたのだろうと想像するが、どうしてシーブリーズというちゃんとした言葉があるのに、こんなおかしな表現をするのか・・・私はしばしば違和感を持つ。

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別府(ハマエンドウ)

今日の別府は平均10mの南西風。瞬間最大風速は平均風速のおよそ5割り増しと考えていいから、トップブローは15m近い。風速計の数字もその通り。12㎡の完全デパワーの限界を初めて経験した。 IMGP0133s1024pix100kb.jpg

しばらくは走ってみたものの、ほとんど何にもできない状況になり、Y君やS君と「ここまで吹かなくても・・・^^;」・・・で、本日おしまい。

しかし、今年も咲き始めた紫色のハマエンドウがポツポツと海岸に彩(いろど)りを添え始めた。

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別府(昨と今)

昨日も今日も別府。ここの南西風はまったく呆れるほどよく吹く。今日は午前中、今治から松山まで東から西に、午後は逆に西から東に海を眺めながら車を走らせたのだが、こんなに安定して強い風が入っているのは、実にここだけのようなのだ。

12㎡で8m余りの順風。いろいろな速さと高さで、もう少し安定したスピンを身に付けたいなぁ~・・・と、バック・フロント共に飽きることなく繰り返す。これが自転車に乗るのと同じくらい簡単な作業になったら、つまり完全に安定した運動になったら、この面白さはたぶん半減するのだろう。

ところが、カイトサーフィンの場合、ことはそう単純ではなく、水と空気の間で織り成される運動要素の組み合わせの多様なことは、ほとんど無限に近い。だから、スピンにもループにも、もちろんジャンプにも「完成形」などというのは有り得ないだろう。従って、完全に安定した運動も無いにちがいないし、心身ともに踊るようなこの面白さが減少することも有り得ないだろう。私にとっては、まことに嬉しい不可能だ。

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別府(3時から)

本日も天気晴朗 穏やかな春日の下、砂浜で虫眼鏡など使いながら遊んでいたら、3時を回って予想通りの南西風が上がってきた。トップ7mほどか。19㎡で5時過ぎまで。

M君は別府2度目にして怪島水道近くまで上って来た。しばらく併走する。この半年間ずっと楽しみにしていた走りだ。これから様々なコンディションで並んで走ることができるようになれば、海上でもいろいろと伝授したいことがある。久々にIやんの柔らかい走りも見ることができた。良い半日だった。

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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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