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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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竹島問題 3

次に日本政府は、まさに「大人の対応」を続けるべきである。あくまで冷静に対話に向けての姿勢を崩さないこと。間違っても、彼らと同じレベルで自衛隊や海上保安庁を使ってはならない。

「大人の対応」の大人とは、器量の小さい小人(しょうじん)に対して、広い教養と深い人格を体した君子と同格の「大人・だいじん」と考えてみたらどうか。

現在の韓国の政権に対話を望むのは酷だろうが政権は変転する。当面、対話が持てない、あるいは対話によっても解決できないならば、その判断をICJ(国際司法裁判所)に委ねることが、最も順当な対処方法になるだろう。この点、野田首相の先日の声明は、良識ある国際社会の一員として正しい主張だと思う。7486aaa7.jpeg

しかし、今の韓国政府が、その訴訟手続きを進める上で必要な「共同提訴」すら拒否している現状を見ると、日本政府はさらに「忍耐強く」説得を続け、それでも韓国が強硬姿勢を取り続けるならば、「単独提訴」するしかないし、それで充分、国際社会の良識の理解を得ることができるはずだ。

ただ、「共同」にしても「単独」にしても、国際法上の裁判手続きや判決の効力は、国内法のそれと大きく異なる。ICJは国連の内部機関であり、その国連自体が創設以来抱え続けている「国家主権」の問題がここでも壁になるからだ。国民の人権と異なり、国家の主権を制限する強制的手段は今のところ存在しないし、国際連合が国際連合(連邦)政府と呼ばれない理由もここにある。

「主権」という概念は幾つかの意味を含むが、めんどくさいのでここでは触れない。この文脈に従い、要を取って言えば、国民は強制力を伴った法律類に基いて国家によって統治されるが、独立国家を統治する権限は現在の国際組織には与えられていない・・・ということだ。

しかし、だからこそ、一国を代表するような方々は、自由や独立や敬愛の真髄を身に付けた人格者であって欲しいと願うし、そうである義務を国民に負っている。それが「成熟した民主国家」というものだろう。かの国やこの国が民主国家として成熟しているかどうかは、小さな疑問として残しておく。

(おそらく4につづく)

 
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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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