忍者ブログ

寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

竹島問題 2

さて、竹島問題について、私の各論的意見だが、これも結論から先に述べる。

まず、韓国政府は、竹島を「実効支配」しているとする根拠、つまりは覇権《はけん》の最たる軍隊やそれに関係する施設を全て撤収すべきである。たいがいは静かに道理を語るあの「姜尚中」(カン サンジュン)でさえ、この「実効支配の継続」を根拠に韓国領であることを主張している事実に私は驚く。

儒教が浸透しているはずの彼の国の指導的立場にある方々が、いつの間に『王道は覇道《はどう》に優る』という孟子先生の教えを忘れたのだろう。王道とは仁愛に基づく治世のことで、対外的には隣国を敬愛する姿勢に立ち、対話による外交に拠るということになる。覇道とは、言うまでもなく、有無を言わさぬ力(武力)による支配姿勢のことで、対外的には、まさにこの「実効支配」がそれに当たるだろう。

この場合、「民間人も居住し交通しているではないか」などという主張に意味がないことは、実際に当地を訪れなくとも、グーグル地図ででも一瞥すればすぐ分かる。竹島二島は人間が生活できるような島ではない。

軍隊による銃撃も砲撃も、国家警察による逮捕・監禁などもなければ、このそう面白いこともなさそうな岩の塊にでも、何らかの興味を持つ人々は、どちらの国の側からも好きなように近づけるようになるだろう。3c60fb2f.jpeg

特に漁師の方々はその機会も多いだろうから、たまには船を寄せ合って一緒に一杯やれば良い。まあ、三日もすればいわゆる「同舟の仲」になることは間違いない。小さな漁村に育った私は、漁師の心根をかなり良く知っている人間の一人だ。どの道、同じような人間が同じようなことをしているのだから、互いに心を開いて仲良くなるのに、言葉の違いはほとんど問題にならないだろう。

「漁師には漁業利権の問題があるではないか」・・・という意見もあるだろう。しかし、この利権は、資本主義あるいは商業主義を命脈とする企業の論理で、農業など土地に梗塞される営みとは遠く異なる、広大な海を舞台とする漁業の本来的営みを忘れた議論ではないか。

境界線を地面に引くことはできるかもしれないが、海面に引くことはできない。米の味は長期間保てても、魚の鮮度は一日で落ちるのである。江戸庶民の「宵越しの金は持たねえ」じゃないけれども、過去数千年に渡る漁師の気質は、富の蓄積からは程遠い、概して極めてサッパリしたものである。利権云々に最も左右されにくい「民間外交」は漁師の交流にあり、と言っても良いくらいだ・・・と私は思う。

ちなみに我が家は、韓国からの大学生を二度ホームステイで受け入れたことがある。彼らは漁師ではなかった。しかし、間違いなく、先に挙げた「王道」を選択し、「民間外交」の一端を担う人たちの一類であった。

(たぶん3につづく)

 
PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

LINK

ブログ内検索

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

最新記事

ハンディムーン

エリアマップ

最古記事

プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

最新トラックバック

カウンター

最新コメント

[06/10 寛太郎]
[06/10 寛太郎]
[06/10 柴田幸治]
[06/10 小林博行]
[03/26 寛太郎]

バーコード

P R

Copyright ©  -- 寛太郎のカイト日誌 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]