忍者ブログ

寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

有難迷惑 (4)

(3)の続きである。第三者の「無知」から、私がパラグライダーで1回、カイトサーフィンで3回、公共機関に無用な通報をされた・・・という話を書いた。

今後、似たような経験をするかもしれない方たちの用になるかもしれないので、その状況をもう少し詳しく書いておくことにする。カイトの3回での私の姿勢は、パラのそれと全く違って、まことに紳士的なものだった。その理由は簡単で、ことの構造が分かり過ぎるほど分かっていたからだ。

1度目は、カイト生活1年目の粟井海岸でのことで、この浜でこんなスポーツをするのは私が初めてだった。この頃の私はまだインフレータブルの15㎡を使っていて、当たり前のことだが、しょっちゅうカイトを海に落とし、風がどうにもならないときは泳いで浜まで帰っていた。

海岸近くに住む人たちがモノ珍しく思ったのは当然で、よく興味深げに見物しながら、ときどきお話もしていたから、徐々に見慣れてこのスポーツへの理解も相当に得られたのでは・・・と思っていた頃だった。

15分ほど泳いで、岸に帰りしばらくすると、海保の一人が「この辺りでパラグライダーが墜落した・・・という通報があったのですが、何かご存じないですか~?」と波除堤防の上から声をかけてきた。「こんなとこで普通パラは飛ばないから、それはたぶん私のコレと見間違えたのでしょう」「ああ、そうですか~・・・・ところで、それはなんというモノですか~?」「カイトサーフィンといって海の上で遊ぶスポーツの一種です」「ああ!そういえばテレビで見たことがあるような気がします!・・・しばらく見学させて頂いてもいいですか?それと、写真も撮らせて頂いてもいいですか?」「もちろん、ご自由にどう~ぞ^^」 なかなか気持ちの良い海保の青年だった。

2度目は1年余り経ったやはり粟井海岸で、近くのマリーナの方が、少々沖の方にチンしてカイトを漕いでいる私を見て海保に通報したらしい。私がほどなく帰ってくると、「遭難したと思って海保に通報しました。今から取り消しの連絡を入れます」ということだった。私のことは何も知らないわけで、割と寒い季節に海を漂流すると危ないと考えたらしい。私が「風も潮もしっかり計算しながらがらやっていることだから大丈夫なんですよ」と説明を加えたら、じゅうぶん納得した様子だった。

それ以降、この浜では私のカイトサーフィン姿は珍しいものではなくなったらしく、その後も何度か泳いだが、親切なおせっかいをする人は誰もいなくなった。

3度目は、塩屋海岸で比較的新しく2年ほど前だったと思う。この時は20分ほど泳いで岸に上ってしばらくしたら、海保のヘリコプターがかなりの低高度で近づき、頭の上を旋回し始めた。私は何ごとかと怪訝に思いながら眺めていたのだが、そのうち県警のパトカーもやってきた。警部と部下の3人たった。

この時も私は既に上陸して一服しているのだから、国民の生命を守ろうと意気込んでやって来た彼らが拍子抜けするのは当たり前だ。まったくご苦労だと思ったので、私は「ご苦労様です!」と声をかけた。「そうなんですよ。パラグライダーが海に落ちて大変だ!・・・という通報がありましてね、やってきたんです。これは何というモノですか?」・・・いつもの質問だ。

私は、ちょうど良い機会だから、今回はしっかり説明しておこうと考えて、カイトとパラの構造の違いや楽しみ方の違い、その安全性や危険性・・・などについて、2人の若い警官も含めて3人の前で、ちょっとした講習会みたいなことをやった。歳のいった警部はともかく、若い二人は相当に興味深く聞いていたので、「君もやってみるといいよ、いいストレス解消になるぞ^^」と言うと、二人は微笑みながら頷(うなず)いた。

この国の法律では、事故の通報者の個人情報は守られる仕組みになっているらしい。これまでの経緯では、その主は、よほど暇で心配性のご老人辺りではないかと私は想像したりする。最後にこの警部には「通報する方には、今の話を少ししてあげて、よく注意してことの成り行きを見てからにするように助言してください」と、お願いをしておいた。その後、このエリアで同じことが起こったことはない。 

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

TRACKBACK

Trackback URL:

LINK

ブログ内検索

カレンダー

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新記事

ハンディムーン

エリアマップ

最古記事

プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

最新トラックバック

カウンター

最新コメント

[06/10 寛太郎]
[06/10 寛太郎]
[06/10 柴田幸治]
[06/10 小林博行]
[03/26 寛太郎]

バーコード

P R

Copyright ©  -- 寛太郎のカイト日誌 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]