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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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年の瀬

今日から12月です。朝の室温もだんだん下がってきました。私の定義では、机上の温度計が10度を切ると冬が来たということになり、ストーブかコタツの出番になります。

コタツというと、こないだリビングにダイニング・コタツというのを入れたら、これがすこぶる快適なので、不要になった食卓に不要になった昔のコタツのヒーターを取り付けて、事務所の机も事務用コタツに改造してしまいました。

もちろん格段に快適になったのは言うまでもありません。しかし、我が日本の誇るべきコタツ文化の効用の一つは、座ったら動きたくなくなり、そのうち眠たくなる・・・ということです。「お尻に根が生える」と言いますが、まったく椅子に根が生えたように動けなくなってしまいました^^;・・・まあこれで、腰を据えてデスクワークに取り組めるのなら、大いに善しとしましょう。

さて、年末になるといつも想うのは一年間の出来事。今年は近年になく大きな年になったのかもしれません。楽しいことや悲しいこと・・・いろんなことがあったけれども、ともかく充実していました。

人間の世界では、時間の進む速さは年齢とともに加速すると言いますが、長いこと自然やその中で生きる生き物たちと付き合っていると、「時間の相対性」をある程度明確に感じるようになります。木々には木々の、鳥には鳥の、犬猫には彼ら独自の時間が流れている。

人の寿命を100年とすると、たとえば、1000年生きる大木は人間の10倍ゆっくりと、10年が寿命の動物はおよそ10倍速く進む時間の中で生きている。多くの鳥たちの寿命は10年に満たないと言われていますから、彼らは1日で私たちの10日分以上の経験を積んでいるということになります。

生きる速度の相対化は、必然的に生物の世界における人間存在自体の相対化、つまり、「人間も、一生物種として特別な存在などではない」・・・という世界観を導くことにもなるでしょう。こういう見方は、仏典に「一切衆生・悉有仏性(しつうぶっしょう」などともあるように、特に東洋では太古から存在する生きた世界観・宇宙観でした。

日本において、人間が他の生き物たちと分離され特別扱いされ始めたのは、主に近代以降、西欧のキリスト教文明が支配的になってからだと思います。彼(か)の教えでは、神と人間、人間と他の生物は峻別され、峻別されるがゆえに支配・被支配の関係が許されることになるのでしょう。

これ以上書くと、文明論・国家論などという大きな話になりそうなので、今日はこの辺でおしまい・・・これも快適な事務用コタツのなせる技です^^。
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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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