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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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真冬の水泳

今日は久々によく泳いだ。週末の別府は西風8m前後、私一人。12㎡でジャストの順風で日差しも暖かい。順潮を狙って昼前に到着。昼飯前の準備運動・・・程度の気持ちで出たら実に気持ち良く上る。久しぶりに怪島近辺のフラット海面まで行ってみようかという気になった。

ところが、上りに有用なループスイッチを繰り返しながらブロー水域中程まで来た時、最も沖合いのループでカイトに荷重が掛かったとたん右側ラインが二本とも切れた。あらら・・・今回はかなり泳ぐことになるなぁ^^;・・・いつものようにラインを処理して板のフットストラップに固定し、リーシュラインを後ろや前に付け替えながら平泳ぎと背泳ぎを1時間近くは続けただろうか。

さすがにカイト内部には徐々に海水が浸入し、ついにはセル一個分程度を残して完全に水没してしまった。こうなると、泳いで引っ張るのは容易なことではない。海岸は徐々に近づいてはいるが、道程残り三分の一程度を残して脚がツリ始めた。セミドライの完全装備なので冷たい海水も数時間は問題ない。しかし、この調子で休み休み泳いでいたら後どれくらい時間がかかるか・・・体力が消耗して両足がツッってしまったらどうにもならなくなるだろう。

しかたがない。岸に着くのが先決だ。「いざという時に身体より道具を大事にしてはいけない」・・・これは日頃の教訓だ。この風と潮では後で探し出すのはほとんど不可能だろうけれど、ついにカイトと別れを告げることにした。それでも着岸するまでかなり泳いだ。いくぶん南西に触れた強風と離岸気味の潮流が影響していたのだろう。

午後も1時を過ぎて車まで帰り、昼飯の後一服しながら双眼鏡で探してみるが、こんな距離から荒れた海中に没したラムエアカイトを見つけるのは、砂浜に落とした車のキーを見つけることより難しい。まあ、ともかくカヌーを漕げるだけ漕いで探しに出かけてみよう・・・と思っていた頃に、ウィンドのIドクターがやってきた。およその位置を説明して「もし見かけたら場所を知らせて下さい」とお願いして、怪島に向けて出発。

なかなか進まない向かいの風潮でせっせとをカヌーを漕いでいたら、間もなく沖合いから彼が真っ直ぐ帰ってきた。驚いたことに、彼はあの波の中、たった2~3レグの往復で私のカイトを見つけ出していた。しかも、私が到着するまでカイトの位置にセールを落として待っていてくれた。まったく有り難いことだ。

「エンジントラブルは最も起きてほしくない状況(時間と場所)で起こる」・・・空の世界のジンクスだ。エンジントラブルはいつでも起こりうるが、私も一度だけ、ダウンウィンドのローパス(超低空飛行)という、少々きわどい状況で経験したことがある。

カイトのライン切れは、もう何回も経験しているトラブルで、弱ったラインに瞬発的に強大な加重がかかるといつでも起こりうる。そして、今回は空のジンクスどおり「最も起きてほしくない状況で」起こった・・・ということだろう。しかし今日はまったくよく泳いだ。
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逆ローター

昨夜の寛太郎風予報では、今日は早くから西風が徐々に上がり、寒気の流入と共にドン吹きになる様子。塩屋の水溜り満潮は10時前。フラット水面でやりたいことは色々ある。お気に入りの12㎡がオーバーになる前に・・・と8時半ごろ家を出る。こんな寒い季節、滅多にないことだ。

先日、強風に煽られて団子のようにもつれた左ラインを1時間ほどかけて調整したが、風は15㎡でちょうど良い程度。最近、取り組んでいるループスイッチとジャンプジャイブをひとしきり繰り返した頃にF君がやってきた。ちょうど昼飯時だし、今日はこれくらいにしておこうかとも思ったけれども、沖合いで淡々と走っている彼を見ていると、もう一走りしようという気になった。干潮時に現れていた河口のラグーンは、砂が徐々に堆積して狭くなってきているがまだ使える。

ここで珍しい風に出会った。それまで比較的安定して吹き込んでいた7m程度の西風が幾分北西に振れてガスティになった頃、なんでもないスイッチをした直後に突然カイトが上方に持ち上げられた。何がしかの上昇成分を含んだブローはそう珍しいものではなく、いつもの私なら喜んでハイジャンプに持っていくところなのだが、今回は全く何の操作もしてないのに5mほど吹き上げられた後、カイトは頭上を通り越して(オーバーシュート)、そのまま風上に向かって突進し、20mのラインが伸びきったところで海面に落ちた。

当然、私の身体は5mの高さから真っ直ぐに落下するしかなかった。海面だからどういうことはなかったが、陸上ならちょっと痛い思いをしていたことだろう。たぶん、下から巻き上げる「逆ローター」とでもいうような乱気流によるものだろうと想像する。

簡単には目に見えない風の世界と付き合いを続ける以上、微妙な風の変化を読み取る感性は絶えず磨いておかなくてはならない。
 

野鳥の会

久方ぶりに朝から塩屋の満潮フラットへ。気温は10℃を切っているが日差しが暖かい。西風15㎡でジャストから北西に振れて上がり12㎡に代えた頃に、国交省の人たちが3人、水際までやって来た。何か話したいことがありそうな様子なので、ちょっと上陸してお話しする。

曰く、「この河口の干潟に集まる野鳥たちに影響が出るので、ココでコレをするのは止めてほしい・・・という話しが野鳥の会からありました・・・」

私曰く、「話としては聞いておきますが、私たちがココを使うのは満潮時を挟んだ数時間程度で、そもそも干潮時の干潟ではコレはできない。私も鳥は好きで、彼らが野鳥たちを愛するのも結構なことだが、少し神経質に過ぎているのではないでしょうか・・・」

曰く、「そうですね・・・そのように伝えておきます・・・」

私曰く、「そうして下さい。ご苦労さま・・・」

およそこれだけの話なのだが、ここでも、世界中のあちこちに散見する「独善性」、そして、日本人にありがちな「権力依存」の一端を見るような気がしたのでちょっとだけ記しておく。

ライン切れ

今日もまた くるくるプツリ ライン切れ
 

走り初め

北風に 青空すがし 走り初め  

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一粒の種の中に

Man is wise and constantly in quest of more wisdom; but the ultimate wisdom, which deals with beginnings, remains locked in a seed. There it lies, the simplest fact of the universe and at the same time the one which calls forth faith rather than reason.middle_1170723384.jpg
- Hal Borland


人間は賢明だから絶えずより多くの智恵を求める。しかし、ものごとの原初を扱う究極の智恵は一粒の種の中に封じ込められている。まさにそこに、大宇宙の最も単純な事実であると同時に、理性よりもむしろ信仰を引き出す事実が存在している。
- ハル・ボーランド

There are no limits to either time or distance, except as man himself may make them. I have but to touch the wind to know these things.beyonds320.jpg
- Hal Borland

人間が自分自身で作り出さない限り、時間にも距離にも限界というものはない。これらの事実を知るのに、私は風に触れさえすれば良いのだ。
- ハル・ボーランド

こんな刺激的な文句に出合ったら、作者の本を一冊くらい読んでみないわけにはいかない。もう何年前になるだろう・・・ボーランドのベストセラーである“Beyond Your Doorstep"(『戸口の向こうに』とでもしておこう)をアマゾンUSの古本屋から取り寄せた。注文記録を見てみると価格85セントとなっている。もっとも、手数料+送料が9.79ドル。ちょっと割に合わないなぁとも思うが、これは仕方がない。

1971年発行のペーパーバックなのでページは相当に黄ばんでいる。表紙を開けたら裏に「スーザン・ベックへ、愛をこめて・・・トディーおばちゃん。1971年」と赤ペンで書き込みがあり、ページの途中には森の匂いがしてきそうななカエデの葉が挟んであった。前の持ち主がスーザンなら、彼女は相当な読書家だったらしく、裏表紙には図書館の2週間分の借り出し予定表と、返却遅延料5セント/週のメモもある。middle_1170723966.jpgbeyond1s320.jpg

ネット上の古本屋が充実するにつれて、私が購入する書籍も古本の割合が徐々に増えてきたのだが、こういう書き込みや余白のメモ、場合によってはアンダーラインなどに出会うのも一つの楽しみなのだ。これから多少とも関わろうとしている世界を、すでに関わった人がどのように扱っていたかを知ることは、本との出会いの二重の喜びとなりうるのである。

パラパラとめくって目に飛び込んできたボーランドの言葉をもう少し。

If there is any outstanding lesson to be learned in the country it is that patience is a virture. Nature seldom hurries.

田舎で学ばれる顕著な教訓があるとすれば、それは‘忍耐は美徳である’ということだ。自然はめったに急がない。

 

塩屋

今日は満潮時を挟んだ水溜りフラットから外に出ることはなかった。河口部分の砂州を東に出れば内海の水溜りフラット、西に出れば、もう一つ沖にでき始めた砂嘴(さし)の間にできる遠浅フラット(このラグーンにもだいぶ砂が溜まって砂州に変化しつつある)。

まともな西風が入ると、この遠浅に寄せる波がそこそこ良い形をつくり、風が南西に触れるとちょっとした波乗りには最適のコンディションになる。

今日は12㎡でも15㎡でもアンダー。暖かい西風が北西に寄り、西に振り戻した後ちょこっと吹いておしまい。なんにしてもこの季節、明るい日差しがありがたい。

子供の眼

To speak truly, few adult persons can see nature.  Most persons do not see the sun. At least they have a very superficial seeing. The sun illuminates only the eye of the man, but shines into the eye and the heart of the child. The lover of nature is he whose inward and outward senses are still truly adjusted to each other; who has retained the spirit of infancy even into the era of manhood.
- Ralph Waldo Emerson


本当のところ、自然を見ることができる大人はほとんどいない。大多数の大人は太陽を見ていない。すくなくとも、非常に表層的にしか見ていない。太陽は大人の目は照らすだけだが、子供の眼と心の中には煌(きらめ)きながら入り込んでくる。自然を愛する者は、自己の内側と外側に向かう感覚が、まだ互いに正しく調整されている人であり、大人になっても幼年期の精神(魂)を保ち持っている人のことである。
- R・W・エマソン

堀江

今日の堀江は青空が明るく暖かかった。15㎡で北東順風。やっぱり海のスポーツはこういう天気が良い。凍えそうな空気の中と違って、心も身体も柔らかく働く。

帰りがけに元気なR君がやってきた。いつもIMGP0370s1024pix100kb.jpgのように、「のり巻き巻き」を歌いながら片づけを手伝ってもらう。彼の一つの夢は、F君と上り競争をすることらしい。あらゆる夢や目標は、それが実現するまで持続すれば、必ず現実のものとなる。

当たり前の理屈だ。しかし、自己も環境も刻々と変化してゆく現実世界で、ある目標に向かって一つのことを持続することは必ずしも容易ではない。それなりの条件や工夫を要することが多い。そして、最大の条件は「好きである」ことであり、最大の工夫は「好きになる」こと・・・ということになるだろう。
 

断崖からも

For happiness one needs security, but joy can spring like a flower even from the cliffs of despair.
- Anne Morrow Lindbergh


幸福には安全が必要だ。しかし、絶望の断崖からも、喜びは花のように咲き出ることがある。
- アン・モロー・リンドバーグ

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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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