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寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

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カミナリ

昨日は深夜に梅雨明け時を思わせる雷が響き、青白い閃光が南の窓を何度も照らした。近くの雷雲はヘソが飛び出すくらい怖いが、遠くの雷は台風に似て心を躍らせるものがある。このカミナリ見物のおかげで昨夜は2時まで寝れなかった。

私が雷の魅力に目覚めたのは、学生時代の初年に埼玉・上福岡で下宿生活を始めた夏のことで、雷の名所とされる宇都宮が近いということもあったのだろう、梅雨明けが近づく7月になると、愛媛の田舎では見たこともないような激しいのが、そこら中に落ちるのである。その雷鳴と雷光の壮大なこと・・・やはり二階の、南に窓が開けた6畳間から、圧倒的な大自然の驚異とでもいうべきものを、飽きることなく眺めていたのを懐かしく思い出す。

雷といえば、18世紀アメリカの偉人、ベンジャミン・フランクリンを忘れてはいけない。彼は実に多才な人物だったが、「落雷は罪を犯した人間に対する神の天罰である」という、当時キリスト教的世界の常識をものともせず、大嵐の日に麻紐で揚げたカイトを使って、雷の本体は電気であるということを実験証明した。Usdollar100fronts1024pix100kb.jpg

彼が単なる奇人変人の類でないことはその事跡を見れば明らかで、その行為がどれだけ危険で、周到な準備と勇気を要するものであったかは想像に余りある。私の興味は、彼が数億ボルト、数万アンペアの一撃に対峙した、ということだけではない。当時の常識、つまり現在では想像もできないくらい大きかった教会の権威や、それに追従する大多数の人々の批難や圧力に、あくまで合理的・科学的姿勢で対峙したということである。

私の知るところ、全て人類の歴史の進展は、こういう奇抜な人物の辛苦を伴う「非常識」から始まり、それがやがて当たり前の「常識」となって世界を満たすようになる。これが、多勢よりも無勢、強者よりも弱者、集団よりも個人に敬意を払うべき所以(ゆえん)である。

・久々の別府は実に爽快な初夏の西風、19㎡、53km
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プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

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