忍者ブログ

寛太郎のカイト日誌

内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

秋の旅 (2)

道中のサービスエリアで休み休み移動しながら6時間。山陰地方最初の町は境港(さかいみなと)だった。北に半島、南に中海、東に弓ヶ浜という長大な砂浜をひかえるこの田舎町には「水木しげるロード」なるものがあり、家内はぜひ見ておきたいと言う。私も同様。(写真・商店街の裏口→)IMGP0328s1024pix100kb.jpg

『ゲゲゲの鬼太郎』のファンなら大概そうだろう。私にとっても水木しげるは、漫画家という肩書き以上の存在だ。おそらく日本よりも海外で評価の高い博物学者・南方熊楠を私は天才的大学者だと思っているのだが、水木も彼が好きで、その伝記を水木流にマンガ化した『猫楠(ねこぐす)』という本を書いている。このマンガ単行本は和歌山の南方熊楠記念館にもあって、私はこの春の紀州旅行の際にここで手に入れた。

水木は典型的な「劣等生」や「おちこぼれ」の半生を経て漫画家になった。幼い頃から神童と呼ばれ、今でこそエコロジーの元祖と言われる熊楠も、晩年を迎えるまで高く評価されることはなかった。性格も分野も生き方も大きく異なる二人だが、遅くまで時代・社会に認められなかったという点で共通している。PA100108s1024pix100kb.jpg

しかしもちろん、水木が熊楠に魅かれる理由はそんなことではない。この辺のあれこれについて、私はいろいろと想いを巡らせるが今は頭が熱い。ちょっと面倒くさい話になりそうなのでまた気が向いたときに書く。

境港はとても細長い港町だった。水産庁の調査船や大型のイカ釣り船が全て横付けで着岸している。すぐ奥に続く小ぢんまりした商店街は、おどろくほど多くの観光客で活気があった。もし妖怪たちが登場しなければ、全国に広がる寂(さび)れたシャッター通りの一つになっていても不思議ではない。PA100102s1024pix100kb.jpg

境港から米子まで続く弓ヶ浜は並行して走る道路から眺めたに過ぎないが、素晴らしく長く美しい砂浜であることはよく分かった、もし、翌日が東寄りの風だったら、この浜で存分に風に吹かれていたことだろう。

米子で一泊したホテルのサービスは満足以上のものがあった。過去の旅で、あれもこれもと欲張りすぎた失敗を踏まえて、今回は米子周辺から大きく動かない。境港の見物で主目的は達成している。翌日はノンビリ過ごして帰るのみ。一応、近くのカイトエリアもネットでチェックし、良い風に吹かれて後悔しないようにと跳び道具もワンセット持参している。111010matue-w.JPG

結果・・・何も後悔することはなかった。昼前に到着した安木の河口エリアには、カイトやウィンドが30人ほどは集まった。香川のYさんに会ってビックリ喜び、F君を知る広島のカイトボーダーともお話できた。やがて西風7m前後で安定。15㎡で跳ぶにはちょうど良いコンディション。地図で読んだとおり素晴らしいエリアだ。多くの風は東西方向に吹きぬけるのだろう。中海に向かって伸びる小さな砂州周辺にはフラット水面があちこちにある。海水かと思っていたら淡水に近い汽水だった。

今回のプチ旅行ほど予定通りに事が運んだ旅も少ない。ただ、一泊旅行で往復12時間の高速移動は少々キツかった。高速道路はまちがいなく便利で効率的、そして、それだけのものだ。 旅の妙味はたぶん便利や効率の対極辺りにある。

 
PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

TRACKBACK

Trackback URL:

LINK

ブログ内検索

カレンダー

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新記事

ハンディムーン

エリアマップ

最古記事

プロフィール

HN:
寛太郎
性別:
男性
職業:
self-employed
趣味:
風読み・読書・自転車ほか多数
自己紹介:
瀬戸内の小島生まれです。学生時代は国際法を少し。数年間の堅い団体職の後、子供好きが高じて学習塾を、風が好きでスカイスポーツのイントラを、等と趣味と仕事が重なる生活を数十年経験しました。55歳引退計画に従って現在は基本的にフリーですが、相変わらずあれこれ忙しくしています。

生活方針は「無理をしないでゆっくりと」およそ中庸を好みます。東西を問わず古典思想の多くに心惹かれます。まずは価値相対主義を採用し事物の多様性を愛しますが、ミソとクソを同等にはしません。モノゴトには自ずと高低浅深があり、その判断基準は「大自然の摂理と全ての生命(いのち)の幸福」の中にあると思います。敬愛する人物は古今東西少なからず、良寛やB・ラッセルを含みます。

ナチュラリストと呼ばれることを好みますが、人間が創り出した道具類にも大きな関心を持ちます。人間語だけでなく、あらゆる生き物たちの「ことば」に興味が尽きることはありません。60~70年代ポップスや落語を聞いたりすることも好きです。

・著作:『空を飛ぶ・一つの方法』
・訳書:『リリエンタール最後の飛行』
・訳書:『個人と権威』

最新トラックバック

カウンター

最新コメント

[06/10 寛太郎]
[06/10 寛太郎]
[06/10 柴田幸治]
[06/10 小林博行]
[03/26 寛太郎]

バーコード

P R

Copyright ©  -- 寛太郎のカイト日誌 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]