内容はカイトに限らず種種雑多です。好みの選択は「カテゴリー」をご利用下さい。日本語訳は全て寛太郎の拙訳。 2010年10月18日設置
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すでに春眠の季節はとうに過ぎ初夏の陽気であるにもかかわらず、近頃、昼飯を終えてしばらくすると眠たくて仕方がなくなる。風模様が良いときは海に出て眠たいなんて言ってられなくなるのだが、たいがいは睡魔に負けてベッドにゴロリひと眠りということになる。
今日の昼寝では、暖かい夏の海で気持ち良く泳いでいる夢を見た。パンツ一つで海を漂うにはまだちと時期が早いのになぁ・・・などと思いながらユラユラと海水の揺らぎに身を任せているのはまことに気持ちの良いもので、やっぱりオレには南方系の民族の血液が流れているのだ・・・なんてことも考えていた。
母から聞いた話では、私は満一歳を過ぎた頃から生家の前の海で泳いでいたそうだ。海に入ると簡単には帰ってこない。ある日などは、あんまり帰りが遅いので探し回ったら、港に舫(もや)った漁船の裏側につかまって一人で「かくれんぼ」をしていた・・・などということもあったらしい。
こんな子供は昔の漁村ではそう珍しくもなかったに違いない。村の小学生にとって年間最大の楽しみは、夏休みの海水浴の時間だった。唇が紫になるほど身体が冷え切るまで泳いだり潜ったりした後、太陽光で暖めた水を満たしたタライで身体を洗い温める。
その後10円持って近くの駄菓子屋に出かける。その10円アンパンの旨いことこの上なく、店に至る小道のそばでは大きなヒマワリが湧き立つような輝きで花を並べていたこと・・・等などは、今でも鮮明な記憶の範囲にある。
自分も周囲のあれこれも、全てが生命(いのち)の喜びで満たされている。これが子供の世界であり、自然の世界であり、あらゆる生き物たちの本来の姿なのだ・・・という直感は、私の場合、夢や記憶の中だけでなく極めて現実的な、しかし、ややもすると忘れがちな感慨である。
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